講演会を聞いてくださった皆様、ありがとうございました。
疑問や感想等あれば、左のバナーからメールを送ってくだされば、それに対して返信いたします。
また、終了後質問をいただいたので、それに対する答えを、また後日掲載します。
卒論の書き方についての講演をします
ご無沙汰しております、斎藤です。
さて、12月17日、大阪慶友会の定例会で卒論の書き方についての講演をします。
卒論に不安のある方は、ぜひご参加ください!
慶友会に来られたことのない方も、歓迎します。
入学が難化した件について
ご無沙汰しております。びっくりしたことがありまして、記事を書いています。
びっくりしたというのは、慶應通信の志望動機・自己PRの合格の基準が少しだけ上がってしまっているということです。昨年ならば合格・不合格の境目にいて、おまけで合格になっていたような人が、今年は確実に不合格になっています。
今回はたくさんの不合格者が出ていると思われ、数人の方から連絡をいただいています。入学志望者より不合格者からの連絡が多いのは初めてです。
ところで、書評の文献選びについて。
『7つの習慣』とか『断捨離』とかについて合格の書評を書くのは難しいと思います。背伸びせずに自分でも読める本を選ぶことは正しいですが、学問とあまり関係のない本を選ぶのはやめましょう。ダメ!絶対!
大角政子さんを偲ぶ会
2016年の1月30日、大角政子さんを偲ぶ会を行う予定としています。私斎藤は、その会で重要なお役をいただくこととなりました。
2008年の夏、初めて科目試験を受けた日のこと、私に初めてお声をかけてくださったのが大角さんでした。とても気さくな方で、誰とでも仲良くなってしまう方でした。大阪慶友会在会中は、とても親切にしていただきました。
大角さんは癌で他界されました。気付いた時は体の様々なところに転移していました。他界された当日、私は知人からそのことを聞いたので、それまで癌であることを知りませんでした。「体調をわるくされたのかな?」となんとなくは感じていましたが。
大角さんは誰に対してもとても優しくしてくださった方でした。それだけに、他界後は「大角さんと出会わなければ、これほどつらい思いをすることはなかったのに」とまで思いました。
私は前夜祭(お通夜)の前から早くに教会に行きました。道を迷っても困らないため、万が一駐車場にとめられず困ることをなくするためです。
幸い道に迷うことも駐車場も確保できなかったので、かなり早くにつきました。教会の方に挨拶に伺ったところ、先にご遺体を見させていただくことをお赦しいただき、対面し私は号泣しました。
その後、前夜祭にて、別の教会で神父をしておられる次男の方の説教を聞きました。ここでは書くのは差し控えますが、これまで紆余曲折を経た「小さな巨人」という別称にふさわしい、かなり精神力の強い女性であったことを確信するたくさんのエピソードを聞きました。
私はこれほどまでに感動的な前夜祭を経験したことはありません。前夜祭を終え、私は大角さんと出会えてよかったと確信しました。大角さんは家族葬にされるおつもりだったそうですが、息子さんなど親族の方々が、誰もが来られる前夜祭にされました。グッジョブです。
これを読んで偲ぶ会に参加したいという方はメールをください。場所など詳しいことが決まりましたら、こちらから改めてメールを送ります。多くの方の参加をお待ちしています。
(この記事は、12月20日に書きました)
卒論の手順…批判
(3)筆者の主張に対して切り込み口を見つける
ただ先行文献を理解するだけでは卒論にはなりません。卒論がどのようなものかと言いますと、このようになっています。
1.先行文献について、明らかにされ尽くしていないこと、納得いかないこと、反発したいことなどを発掘する。そして、それを疑問の形で提議する。
↓
2.それに対して自分なりの答えを主張する。
↓
3.自分の答えが正しいことを、さまざまな文献を用いて証明する。
例えば、過去の偉人の議論に対して、「これって、本当なのかな?」、「言ってることはわかるけど、説明が不十分ではないかな?」、「いや、自分はそうは思わない」、「昔はそうだったかもしれないけど、今は違うよね」、「今は昔とでは時代が全く違っているけれど、昔の主張が(部分的にもしくは全体的に)今でも通用する」…そういったことが見つかれば、卒論はほぼ完成です。
好ましくないことは、誰もがやりがちなことなんですが、自分がたんに調べたこと、勉強したことを書くことです。もちろん、いろんな文献を調べることは大事です。でも、「疑問→答え」という核のない論文は支離滅裂なものになってしまいます。疑問を見つけて、それに答える、という作業をしないと、卒業できないか、修業年数ギリギリの卒業になってしまいます。
学業は、もちろん努力も大切ですが、それと同じくらいにセンスも大切です。いろんな論文を読んで、良い論文の特徴はなにかを追求することで、センスが磨かれるのではないかと思っています。
卒論の手順…先行論文
多くの方は、秋の卒論指導を終えられたことと思います。卒論指導を受けて卒論が進んだのならばそれで良いのですが、中には卒論の進め方が余計に分からなくなって、さらに深い渦の中に入って行ってしまっている方もいるんじゃないかと思います。
以下は1年以上卒論指導を受けているが、まだどんなことについて書けば良いのか分からないという方に向けて書きます。
(1)先行文献を見つける
卒論を書くにあたって、一番大切なのが先行論文を見つけることです。一冊ないし二冊、自分の軸となる本を見つけましょう。たくさん本を読んだ上で絞っていくと良いと思います。
これまでレポートを書き続けてきたわけですから、それなりの読書力は持っていると思います。卒論でこれまで読んだことのない文献にチャレンジしてみるのもいいですが、これまで受けてきた科目試験の中で関心が持てた本があれば、それについて書いてみるのも手だと思います。
卒論は時間との戦いです。主婦や社会人学生の中には時間を気にせず書ける方はいますが、それ以外の方、とりわけ18、19で慶應通信に入ってしまった方にとっては「修業年数の許す限り頑張る」というわけにはいかないと思います。中途半端に勉強を続けてしまうと、25歳くらいになって、「こんな歳になったけど卒業が見えてこない。…焦る!」ということになってしまいます。
なるべく早く書き上げる、そのために自分の論文のベースとなる先行文献を早いうちに決めてしまいましょう。
(2)絞った本をさらに読み込む
前に、卒論1年目の方(以下A氏とする)から「卒論でこんなことを書きたい」というのを見せてもらいました。私よりも若い平成生まれの方です。早く卒業して良い就職に繋げたいところです。
見せてもらっての感想ですが、彼も含め卒論を書き始めて年数の浅い方は「この本について書きたい」という思いは強いですが、本の読み込みが足りないように感じます。「卒業するのならば、かっちりした本を読みたい」という気持ちはある。にもかかわらず、そうした本を読は決して易しくないので読みきれない。筆者の主張したいところではなく、文献の中で自分でも読める簡単な箇所にどうしても目がいってしまうという状態になってしまいます。
そうした状態が続く限り、卒論は進みません。「筆者は一体何を主張したいのか」ということを理解するために、文庫本(ちくま新書、講談社新書etc...)など早わかり本などを活用しつつ、読み進めていきましょう。