慶應通信! r.saitoの研究室

慶應義塾大学通信教育課程のブログです。皆さんの卒業を応援します。

社会学史1(1)

 社会学史1と社会学史2は、字数さえ満たせば合格とも言われる、易しいめの科目です。ですので、文学部生は類に限らず受講するようにしましょう。
 さて、社会学史1の課題は『クロニクル社会学』(有斐閣アロマ)にある社会学者のうち一人を選び、彼の思想をまとめた上で、その書物の観点から現代社会について論じる、というのが課題でした。この課題は、レポートというより、論文型の課題です。
 起(はじめに)→承(旧情報)→転(新情報)→結(まとめ)という順番で書きすすめます。


 この課題では社会学史2と同じマックス・ウェーバーを選ぶ人が多いような感じです。実際ウェーバーを選ぶと、参考文献を探す手間が省け、その分時間も短縮されます。他に、アーヴィング・ゴフマンや、ミシェル・フーコーも取り組みやすいと思います。
 その一方でユルゲン・ハーバーマスの文献に取り組むと、その抽象さゆえにものすごく苦労します。
 社会学史1に取り組む前に頭に入れておきたいことは、『クロニクル社会学』を読んだ後で、そこにある社会学者が書いた文献を読まないことです。あまりの難しさ&本の厚さで、ほぼ間違いなく躓きます。私は23歳のときフーコーの『知の考古学』(河出書房新社)を読み、あまりの難しさに卒倒しそうになりました。
 でも、読めなくても書けます。『クロニクル社会学』を読んだ後で、ナツメ書房シリーズと↓を読みましょう。

フーコー入門 (ちくま新書)

フーコー入門 (ちくま新書)

 中山氏の文献は非常にわかりやすいです。余力があれば、↓を読んでもいいと思います。ただ、この文献は私はチラッとしか見ていません。
フーコー (「現代思想の冒険者たち」Select)

フーコー (「現代思想の冒険者たち」Select)



 で、フーコー自身の作品は一番有名で分かりやすい『監獄の誕生』を選べばいいでしょう。上の早分かり本を読んで、フーコーの文献を読んだ気になりましょう。(フーコーの文献をスラスラと読めるのならば、それに越したことはないです。ただ、卒論レベルになると、これをなんとかしてでも読まないといけません。)
監獄の誕生―監視と処罰

監獄の誕生―監視と処罰

 (2)につづく。