慶應通信! r.saitoの研究室

慶應義塾大学通信教育課程のブログです。皆さんの卒業を応援します。

大学時代しなければいけないこと(1)

 私は既に大阪府にある公立大学を出ています。ここでは仮にF大とします。F大の学生は、他の大学とは少し異なった側面を持っています。生徒のおよそ三分の一を占める工学部の学生の殆ど全員が「中期日程(C日程)」で入学しています。中期日程は、簡単に説明すると前期日程の滑り止めとして機能し、京大や阪大に落ちた学生たちがF大の工学部に集まります。
 F大の工学部はそこそこ優秀であるにも関わらず、その少なからずが自分を落ちこぼれのようなものだと思っています。実際、学士と修士の両方で飛び級し、24くらいの年齢で博士として、有名誌に研究発表を載せている学生がいます。そして自分のことをシビア(かつ悲観的)に考えているのも工学部生です。
 4月や5月のサークル勧誘が盛んな時期、いろんなサークルがオープンテラスなどで飲み会を開きます。上級生たちが新入生にお酒やお菓子を振舞います。どこの大学にもそれで酔いつぶれる新入生がいます。しかし、たまに顔を真っ赤にしてこんなことを叫ぶ新入生がいます。
 「僕はですね!本当はね、こんなレベルじゃなかったんです!京大の物理工に行きたかったんですよ!センターは良かったのに、F大なんて…ブワワワワッ(泣きそう)」
 他大学ならばその生徒に対して呆れるかもしれません。しかし工学部の学生の殆どが挫折を経験しているため同情的です。というか、そんな生徒がいること自体すでにお見通しです。「でも、就職はいいよ。4年生のAさんは日立、院生のBさんは松下に行ったよ。これからでも大丈夫だよ」となだめます。
 心の空白感を埋めるために新興宗教にのめりこむ生徒も結構います。勧誘は男女ペアになって行われるのですが、すごく巧みに行われます。私は加入することはありませんでしたが、私を勧誘した先輩は結構いい人で、しばしばメールの交換をしていました。後に彼は有名メーカーに就職しましたが、むしろセールスに向いていたのではないかと思いました。
 当時の私はこんな気質を持った学生でしたが、即文転しています。文転した先の生徒たちは、二次試験を英語と小論文で受験しており、そこでは私が受験した数学や物理・化学の知識は全く役に立ちませんでした。
 私も大学入学当時は焦りました。しかし、何をすればいいのか全くわからなかったので、この本を手に取りました。『大学時代しなければいけない50のこと』(中谷彰宏著:PHP文庫)。

大学時代しなければならない50のこと (PHP文庫)

大学時代しなければならない50のこと (PHP文庫)

 この本は、20歳よりも前の学生を対象としたものですが、中高年の通信生にも当てはまるメッセージが幾つかあります。でも、この本は買ったほうがいい本かも知れないので、詳しい紹介は控えます。
 また、この本も大学生にとっては欠かせない本です。『頭のいい大学四年間の生き方』(和田秀樹著:中経出版
頭のいい大学四年間の生き方

頭のいい大学四年間の生き方

 しかし、この2冊を読んだにも関わらず、私は世渡りがかなり下手なので、大学の最初の2年間を殆ど無駄にしています。私の実質的な大学デビューは大学3年のとき、後輩にサークル活動に誘ってくれたのが切っ掛けでした。