慶應通信! r.saitoの研究室

慶應義塾大学通信教育課程のブログです。皆さんの卒業を応援します。

私的卒業論文対策(2)

 卒業論文を完成させるためには、たくさんの文献を読む必要があります。一般の課題では、3冊前後必要なのですが、卒論に限っては、およそその10倍は読んでおいた方がいいです。読書は知識を増やしたり、慣れたりすることでスピードが上がります。私はフォトリーディングや速読の類は身に付けていませんが、そういった能力は身に付けていなくても大丈夫です。
 で、卒論に当たってどのような本を読めばいいか、ということなんですけれども、(人によって異なりますが)哲学や社会学を中心に勉強する人は、公共性に関する文献を読んでおいたほうがいいです。たとえムダであっても後悔はしないです。というか、卒論はムダなことも大切です。仕事で余裕のない方も多いですが、耐え忍びましょう。
 ちなみに、どうして公共性の文献をすすめたかというと、最後の卒論指導で集まった方の殆どが公共性に関する文献を参考文献として卒論に載せていたからです。下の本です。

公共性 (思考のフロンティア)

公共性 (思考のフロンティア)

 岩波文庫の思考のフロンティアシリーズはおすすめです。是非読んでおきましょう。
 で、次におすすめする文献なのですが、マイノリティ(社会的少数者)研究やコミュニティ研究をしたいのであれば、以下の本をおすすめします。
親密圏のポリティクス

親密圏のポリティクス

中断された正義―「ポスト社会主義的」条件をめぐる批判的省察

中断された正義―「ポスト社会主義的」条件をめぐる批判的省察

 私の卒論では触れませんでしたが、私は「きょうだい児」に強い関心があります。きょうだい児とは障害児の兄弟姉妹のことなんですが、彼・彼女が抱えている悩みやトラウマ、ライフコースについて知りたいと思っています。これらの文献はきょうだい児に言及したものではないのですが、これらの文献はマイノリティ研究のために必要です。
 また、近年環境管理型権力に関する関心が深まっています。環境管理型権力に関しては、「社会学系科目」のジャンルに書きましたが、ドゥルーズを読む前に、この文献をおすすめします。
空間管理社会―監視と自由のパラドックス

空間管理社会―監視と自由のパラドックス

情報環境論集―東浩紀コレクションS (講談社BOX)

情報環境論集―東浩紀コレクションS (講談社BOX)

 時間がある方は、2冊目と3冊目を、ぜひ読んで欲しいと思っています。
 で、最後に、卒論に何を書けばいいのかわからなくて困っている人やサブカル好きには、これです。
カルチュラル・スタディーズ (思考のフロンティア)

カルチュラル・スタディーズ (思考のフロンティア)

カルチュラル・スタディーズを学ぶ人のために

カルチュラル・スタディーズを学ぶ人のために

 カルチュラル・スタディーズから始めてみましょう。