慶應通信! r.saitoの研究室

慶應義塾大学通信教育課程のブログです。皆さんの卒業を応援します。

卒論の手順…先行論文

 多くの方は、秋の卒論指導を終えられたことと思います。卒論指導を受けて卒論が進んだのならばそれで良いのですが、中には卒論の進め方が余計に分からなくなって、さらに深い渦の中に入って行ってしまっている方もいるんじゃないかと思います。
 以下は1年以上卒論指導を受けているが、まだどんなことについて書けば良いのか分からないという方に向けて書きます。

(1)先行文献を見つける
 卒論を書くにあたって、一番大切なのが先行論文を見つけることです。一冊ないし二冊、自分の軸となる本を見つけましょう。たくさん本を読んだ上で絞っていくと良いと思います。
 これまでレポートを書き続けてきたわけですから、それなりの読書力は持っていると思います。卒論でこれまで読んだことのない文献にチャレンジしてみるのもいいですが、これまで受けてきた科目試験の中で関心が持てた本があれば、それについて書いてみるのも手だと思います。
 卒論は時間との戦いです。主婦や社会人学生の中には時間を気にせず書ける方はいますが、それ以外の方、とりわけ18、19で慶應通信に入ってしまった方にとっては「修業年数の許す限り頑張る」というわけにはいかないと思います。中途半端に勉強を続けてしまうと、25歳くらいになって、「こんな歳になったけど卒業が見えてこない。…焦る!」ということになってしまいます。
 なるべく早く書き上げる、そのために自分の論文のベースとなる先行文献を早いうちに決めてしまいましょう。

(2)絞った本をさらに読み込む
 前に、卒論1年目の方(以下A氏とする)から「卒論でこんなことを書きたい」というのを見せてもらいました。私よりも若い平成生まれの方です。早く卒業して良い就職に繋げたいところです。
 見せてもらっての感想ですが、彼も含め卒論を書き始めて年数の浅い方は「この本について書きたい」という思いは強いですが、本の読み込みが足りないように感じます。「卒業するのならば、かっちりした本を読みたい」という気持ちはある。にもかかわらず、そうした本を読は決して易しくないので読みきれない。筆者の主張したいところではなく、文献の中で自分でも読める簡単な箇所にどうしても目がいってしまうという状態になってしまいます。
 そうした状態が続く限り、卒論は進みません。「筆者は一体何を主張したいのか」ということを理解するために、文庫本(ちくま新書講談社新書etc...)など早わかり本などを活用しつつ、読み進めていきましょう。