慶應通信! r.saitoの研究室

慶應義塾大学通信教育課程のブログです。皆さんの卒業を応援します。

卒論のための読書

 一般の課題では、それほど深い知識は必要ないのですが、卒論となると、そこそこ深い知識が必要です。私は、参考文献は30冊未満で済みましたが、卒論に着手する殆どの方が40冊前後読んでいます。50冊以上もザラだと思います。卒論に読書は必要です。
 卒論を書く前から書きたいテーマの決まっている方は多いと思います。でも、関心のあるテーマでも、具体的に卒論の中で「問い」を明確に想定することのできている方は少ないと思います。実際のところ、私も中途半端な形にしていました。卒論を提出した後でアイデアが生まれ、もっと明確に書いておけばよかったなと反省しています。
 問いを作り出すのは、読書によって可能となると思います。あまり関心のなかった本でも、読んでみると新たな発見があり、卒論のための糸口になると思います。
 卒論を書くためには、これまで明らかにされていないことを見つける、ということが必要です。でも、いきなり「生きる意味とは一体何か」「愛とは一体何か」のように、甚大すぎるテーマを卒論とするのは良くないです。例えば、「愛とは一体何か」という問においても、『A』という文学作品にある「愛」の記述のされ方と、同年代に出版された『B』における「愛」の描かれ方の違いと共通点、のように、問いを狭く絞っていきましょう。
 異なるものを二つ取り上げ、比較することで新たな発見が生まれると思います。