慶應通信! r.saitoの研究室

慶應義塾大学通信教育課程のブログです。皆さんの卒業を応援します。

起承転結を意識した論文作成(2)

 前回の日記で、アーヴィング・ゴフマンの理論と、米国人キャリアウーマンについて、他のサイトから引用しました。
 昨日は米国人キャリアウーマンについて論文を作成しようと思っていたのですが、題材を「カツマー」を例にした方がわかりやすいのではないか、と思ったので、分析の対象をカツマーにチェンジします。前回の日記での米国人キャリアウーマンの日本人版がカツマーです。では、その場合、どのように論文を書いていけばいいのか、説明します。


0.おさらい
 おさらいとして、起承転結の説明を改めて行います。

起…「はじめに」のところ。レポートや論文の主旨と、章の概説を行う。
承…旧情報。状況の説明や理論などの説明。
転…新情報。自分の考え、分析と分析に基づく考察。
結…「おわりに」のところ。まとめや、調べ切れなかったことを書く。

1.承
 この場合「承」には、一体どのようなものが入るかというと、1.調査する対象の説明、2.調査する手法の説明、です。ここでは、「カツマー」がどのような人か、ゴフマンの「ドラマトゥルギー」とは何か、説明を行います。分量的に、承の部分は1600字前後。前者に700字〜800字、後者に800字〜900字を割り当てる感じで説明するといいと思います。入学時の書評レベルです。チョロいチョロい。
 次の「転」は、実際に、ゴフマン的な観点による、カツマー分析です。ですが、既に前回の日記で、米国人女性が分析されています。「ゴフマン」という言葉は使われていませんが、「米国人女性」のところを「カツマー」に書き換えるだけでいいんじゃないかと思えるほど、わかりやすく書かれています。
 後者の「ドラマトゥルギー」は、既にどのようなものか前回の日記で引用したので、次はカツマーの説明です。初めて「カツマー」という言葉を聞いた人に分かるように説明しましょう。ちなみに「カツマー」とは、勝間和代氏(経済評論家・公認会計士)に憧れて、バリバリと働くキャリアウーマンのことを言います。はてなキーワードカツマー」という項に詳しく書かれています。
 この承のところは、あくまで説明にとどめておくことです。カツマーの中には、米国人キャリアウーマンと同じく、前項に記述した「スーパーウーマン症候群」に罹っています。しかし、承の部分ではスーパーウーマン症候群の理由を深く説明してはいけません。スーパーウーマン症候群がなぜ発生したか、その分析は、この論文の中で一番重要な「転」のところで書かなくてはいけません。