慶應通信! r.saitoの研究室

慶應義塾大学通信教育課程のブログです。皆さんの卒業を応援します。

起承転結を意識した論文作成(3)

 この部分は論文の中で一番大切なところです。「カツマー」をゴフマンの理論を用いての分析です。<承>の段階(これから起承転結は<>をつけて記述します)では、カツマーがおよそどのようなものであるか記述を行いました。だいたいこんな感じです。

・カツマー=勝間和代氏に憧れて、仕事をバリバリこなす女性
・でも、文献などによると、そうした彼女たちは幸せでない場合が多い

 では、幸せではない理由は一体何なのか。それを、ゴフマンの理論を援用して説明します。


2.転
 切り込み口はたくさんあります。何となく思いついたのを書いてみます。適当ですが、勘弁してください。
 カツマー登場の理由ですが、それは男女共同参画社会が進むにつれ、女性も労働市場に放り出されるようになったことが発端だと思います。彼女たちは、女性同士もしくは男性に対して仕事で競争せざるを得なくなりました。競争には二種類あり、その一つ目は仕事での競争です。仕事での競争は、勝間氏がお手本です。目標は、仕事を通じた自己実現。その最もわかりやすい指標が年収や資格、学歴です。
 そして二つ目は結婚での競争です。既に「婚活」という言葉が社会の中に定着しています。いかにいい男性を獲得できるか、ということが勝負の決め手です。「勝ち組・負け組」という言葉がありますが、自分が幸せかどうかで他人と比較される社会となりました。下の例はヤフー知恵袋なんですが、それはこんな感じで現れています。自分も負けじと必死です。

女の幸せ。
皆さんはどう思いますか?
A子は
中学時代に一生懸命勉強し、偏差値の高い進学校へ入学。
高校時代も一生懸命勉強し、難関大学に合格。
就職活動も真剣に挑み、某有名企業に入社。
男性にも負けないようなバリバリのキャリアーウーマン。
だけど・・・恋愛に縁がないまま・・・気がついたら30歳も過ぎ・・・
学生時代も男性にもてなかったが、就職してからもそれは変わらず・・・。
年収は高いが、ひとりもの。
友達は皆どんどん結婚し、子供も産み、幸せな家庭を築き上げている。
ひとり、孤独で寂しい休日。予定もなし。
そんなA子は負け組女ですよね?
こう書くと、おそらく「この先いい出会いがあるかもしれない」「まだ分からない」等というような回答もくることが予測されますが
「この先」ではなく「現時点」で判断してください。
こういう女の生き方は、女性としてみたら負け組みですよね??
一方、B子
学生時代は大して勉強もせず、異性と遊びほうけていた。
推薦で適当な短大へ行き、そこでも遊んで2年間を過ごした。
おしゃれで外見がかわいかったため、やや尻軽オバカさんだったけど、男の子達からもてた。
短大卒業後、交際してた男性と23歳で結婚。その後、子供2人を出産。
あまりお金もない平凡なサラリーマンの妻で専業主婦30歳だけど、それなりに幸せそう。
B子のほうがA子よりも勝ち組女ですよね?
いくら勉強とか頑張って良い学校や会社に入っても、結婚できないようでは
女性として幸せじゃないですよね?
忌憚なきご意見をください。辛口回答もどんどんお待ちしております。でも荒らしはやめてね
ヤフー知恵袋女の幸せ。皆さんはどう思いますか?

 自分では「これでいい」と思っていても、他人と勝手に比較されると、自分も負けまいと誇示しようとします。自分が幸せであることを証明するために、あれやこれやと幸せであることをアピールするために頑張ろうとします。それがゴフマンのいう「印象管理」です。それぞれに何が幸せかという指標があると思うんですが、他人の指標を絶対視してしまうのです。
 <転>の部分は、繰り返しますが、女性がどうして不幸になっているか、その印象管理がいかなるものか、というものの記述です。

・今日(こんにち)の女性は競争に晒されている
・そのため、自分が幸せであるという「印象管理」を行っている
・カツマー系の本に載っている、スポーツ系の自転車やマインドマップフレームワークはそのためのツール

 <承>というのは、「物差し」(ゴフマン理論)と「対象」(カツマー)がどのようなものであるかの記述です。一方、<転>は、「対象」を「物差し」で計ったら、どのようなことがわかったか、ということの記述なのです。