私は「ビリギャル」についてこのように思っています。
「ビリギャル」は、成功の物語として観るぶんには問題はないと思います。でも、これを真に受けてしまうと人生を破綻させてしまう恐れがあります。パッとしない子供をもつ親が「これを読め」と子供に読ませても、きっとその子の成績は上がらないでしょう。ビリギャルは、別の人間に例えると「カズさん」です。
カズさんは、ほんの数日で20パーセント近くの体脂肪率を一桁に落としてしまうマッチョマンです。私の体脂肪率は今15〜16%ですが、私の体脂肪率は彼のようには落ちないでしょう。カズさんは、余裕で1日800kcalを消費するパワーを持っています。時速10kmで1時間を走る体力を持っています。私は10kmで走ると20分しか持ちません。運動不足のサラリーマンは5分も持たないでしょう。
ビリギャルも同じ。彼女は愛知淑徳高校(かなりの進学校)出身です。小学生のときは、かなり勉強したことと思います。
進学校に進んだ子供が、しばらくして落ちこぼれることは多々あります。周りも優秀な子供達ですから、これまでの学校では神童でも、新しい学校で埋もれたり落ちこぼれることは普通なのです。
進学校で落ちこぼれることは、かなり心にキます。自暴自棄になって勉強をやめてしまうことがあるかもしれない。
しかし、それでも小さいとき受験をして得た経験、すなわち勉強を落ち着いて行う精神力は、彼女には残っています。全く勉強をしていなかった子供とは違うのです。
親は子供にこれを読ませるとき、この事実を無視してはいけないと思います。