慶應通信! r.saitoの研究室

慶應義塾大学通信教育課程のブログです。皆さんの卒業を応援します。

新・地理学1(1)

 新・地理学1では、TNCトランスナショナルカンパニー)に関する課題が出ます。課題は「TNCが抱える課題」です。私のときは、「トランスナショナルカンパニーを一つあげ、その特色を地図を用いて記述しなさい」みたいな感じだったので、以前より難易度が増しています。
 TNCは「技術開発や生産の拠点の移動がしやすいこと」という特徴を持っています。これは、正の側面と負の側面を持っています。TNCの課題は、その負の側面であると私は思っています。
 簡単に言うと、ある国が不景気だと、生産拠点が他国に移り、国内の産業が衰退することです。例えば、現在日本の経済は落ちぎみです。震災の影響が大きいです。税金の多くが復興に充てられるため、産業の振興に関しては手薄になります。そうすると、次第に日本よりも生産コストの低い中国や東南アジアに拠点が移っていきます。自動車や白物家電がその代表ですが、今、その移行が加速しつつあります。となると、日本の産業は次第に空洞化してゆき、負のスパイラルに陥っていきます。
 逆に、日本である技術の開発が盛んに行われると、世界各国の企業が日本にやってきて、日本経済は潤うでしょう。
 それから、近年TPPの議論がよくなされています。このTPPは、日本では経団連がプッシュしていますが、JAは反対しています。逆に、アメリカでは農業団体が後押しし、工業、特にフォードなどの自動車メーカーがこぞって反対しています。アメリカでは、農業と比べて工業の優位性は弱いです。そうした国の工業は、関税が撤廃されるとかなり弱体化します。もしTPPが達成されると、アメリカは生産の場を別の国に移すでしょう。
 簡単に書きましたが、これがTNCの課題かなぁと思っています。