慶應通信! r.saitoの研究室

慶應義塾大学通信教育課程のブログです。皆さんの卒業を応援します。

論文指導事前対策(1)

 前回の日記で「慶應通信を卒業すればどこの大学院でも合格できる」と書きました。その理由は、卒業論文を書くにあたって作成しなくてはいけない資料の形式が、大学院の願書と併せて送付する「研究計画書」と似ているためです。研究計画書を簡単に説明すると、どのように研究を進めるかの計画です。そのまんまですね。この研究計画書を書くのは(私にとってですが)非常に難しいものでした。一般の大学に通う方は大学4年で書きますが、慶應通信生は4年で卒業するとなると、3年目あたりでそれを書かなくてはならず、とりわけ普通入学者にとっては非常にハードであるように思います。そうした練習を既に経験しておくと、大学院受験の際に楽になります。
 で、事前対策なんですけれども、多くの人にとって、それをいきなり書くのは困難です。パソコンを前にしてフリーズするかもしれません。そんな時、どうすればいいか自分なりのアドバイスを書きたいと思います。
 卒論を書くためには、ある程度文章を書く力が必要です。ですが、卒論指導には専門7単位が必要です。7単位取得するためには2科目〜4科目をクリアしていますから、基本的な記述力はその時点で備わっていると思います。
 では何が足りないか、ということなんですが、読書による知識です。「卒論を書きたい」と思った時点は、「自分の興味のあることが何かわかっている」という段階に過ぎません。卒論は、問いとその答えを設定し、その間を論証でつなぐものです。問いと答えを想定できない限り、卒論は書けません。
 その問いと答えを想定するためには、読書が必要です。そうすることで、どのようなことがわかっていないのか、もしくは、ある現象に対して、これまでになかった角度から視点を当てるとどうなるか、ということをなるべく明らかにしていかなくてはなりません。それを見つけるために、読書というものが必要なのです。
 大体8冊を通読すると、何か見えてきます。慣れないうちは大変だと思いますが、粘り強く頑張ってみることが大切だと思います。